1月に石川県加賀市の温泉宿で実施した「地方創生 IoT×動画マーケティングハッカソンin加賀」 。先日、メディア向け報告会を実施しましたので、その様子をダイジェストレポートします。
実施背景
加賀市は主に若い世代が転出し、日本全国では、三大都市圏の人口シェアの上昇は今後も続くとともに、その増大のほとんどは東京圏のシェア上昇分となると予測されています。
2040年には日本の896の自治体が消滅するという調査結果も出ています。
加賀市の課題=日本の課題であり、加賀市の課題に向き合い先行解決することが、日本再興とグローバルイノベーションを生むきっかけになるということを、代表の石田から説明させていただきました。
実施内容
石川県加賀市の有数の温泉宿に、東京都と石川県の学生24名が集結し、2019年1月18日から2泊3日のハッカソンを開催しました。 学生の渡航宿泊費は自治体が全面負担し、加賀市オープンデータの提供とRESASのデータを使用。私たちフレイ・スリーの得意とする動画デジタルマーケティングの観点から支援することで、今回は「観光資源」にスポットを当て想定される観光名所を周り、動画を撮影・作成。最終的にIoT機器でアウトプットすることをゴールに実施しました。
濃厚な2泊3日
<DAY1>
初日は、「地域経済分析システムRESAS」と「SEOの被リンク分析・競合調査ツール Ahrefs(エイチレフス)」を使用。さらに自治体から提供いただいたデータ(加賀市オープンデータと直近5年分の加賀市観光統計)を活用し、参加学生は“加賀市の客観的魅力はなにか“の分析を始めます。そして、情報発信動画のコンセプト作りまでを初日で固めました。
<DAY2>
2日目には、当社の提供する「1ROLL」のレクチャーを開始。朝から動画制作のレクチャーを受けた学生たちは、午後から各チームでロケ地を周り取材し、実際に動画撮影&作成をします。
その日の夜にはすぐにGoogle Mapに動画をマッピング。この動画をいかにIoT機器に表示させるか取り組みました。
Google and the Google logo are registered trademarks of Google LLC, used with permission.
このように20箇所の観光地に取材し動画にしたものものを登録していきます。
<DAY3>
最終日のアウトプットとして使用したIoT機器は、オープンスピーカーとAlexa。
午後のプレゼンに向けて、午前中にIoTへ実装をし、テストをしていきます。
5チームそれぞれから実際のプレゼンとAlexaデモが行われました。
参加学生からのコメント
本報告会には、参加学生も参加。参加チームの動画を実演してもらいました。
学生「アレクサ、“加賀温泉駅の近く”でオススメの場所を教えて。」
アレクサ「紹介するよ!」
そして動画が流れます。
参加学生の声コメント
・井上 勇翔さん 日本大学経済学部
今回は、集客のためにどのような視点でどのようなプロモーション動画を作るのがよいのかなどを学びました。感じた地域課題としては、加賀市の観光スポットがとにかく広くて各箇所までが遠く、バスの本数も少ないところが不便。そこを動画マーケティングで解決したいと思いました。
・佐藤 啓介さん 日本大学経済学部
今回はじめて地域課題に向き合い、そこに何があるかを知られていないので、人もこない。そのために発信されることもない。という負の循環があることがわかりました。そして、訪れた観光客に対して十分な交通網が提供されていないことで、結局、交通の便の良い、王道な観光地にしか足を運ばなくなり、観光客の増加につながらなくなってしまうということも見えてきました。
ハッカソン自体は、温泉宿でハッカソンという環境がとても良かったです。チームメンバーと一緒に温泉に入ることで、より深い話ができて、チームビルディングに繋がりました。
宮崎 ひとみさん 日本大学経済学部
今回、地域課題と向き合うことで、若者の流出が課題だと感じました。そのため、私のチームではInstagramで人気のハッシュタグ「#タビジョ」を用いて、女子旅向けの動画を作成しました。リーサスのデータでもわかるように、若者の流出が課題です。都心に住んでる若者が、たまに田舎で癒されたい、そんな時に来てもらいたいという思いで作りました。
ハッカソンでは、講義で教えていただいたアプリなどを活かすことができ、さまざまな知識を得ることができました。
金沢大学 総務部地域連携推進課連携推進課 竹田裕一郎様からのコメント
・ハッカソン実施の背景
加賀市と金沢大学は,平成29年9月1日に「温泉資源等を活用したまち・ひとづくり協定」を締結し,加賀市をフィールドにした教育研究の推進に取り組んでいます。加賀市は,加賀イノベーションシティ構想を立ち上げたり,スマートKAGAラボを設置したりしているなど,Society5.0時代に向けて新たな取り組みを実施しています。そんな加賀市の取り組みに対して,連携・協力し学生の学びにつながるプログラムを実施したいとの思いから、ハッカソンを実施することを提案し実施が実現しました。
・今後の展望
先に触れたとおり、観光マーケティングと動画を結びつけたハッカソンは、加賀市での継続的な実施により加賀市のコンテンツを更に増やしていくとともに、地域観光をマッピング動画で盛り上げる体制を整備したいと考えています。
加賀市役所 経済環境部 イノベーション政策課 大幸 喜徳様からのコメント
・ハッカソン実施の背景
2017.9.1 に⾦沢⼤学と「温泉資源等を利⽤したまち・ひとづくり協定」を締結しました。 加賀市をフィールドとし、地域資源を活⽤した観光振興策を展開する“ひとづくり”の取り組みが本ハッカソンにマッチしました。
・今後の展望、フレイスリーとの協働
観光資源をPRするには動画コンテンツは⾮常に有効です。フレイスリー社は、簡単に動画を編集するサービスを持っているため、今後の市の観光や政策を推進する際に上⼿く活⽤できればと思います。また、本ハッカソン開催で得られた経験を活かし、市内産業の活性化に向けて取り組んで⾏きます。
そして最後に、代表の石田から統括のお話をさせていただきました。
今後は、スクリーン付AIスマートスピーカー「Echo Spot」を加賀市内の店舗や温泉宿に置いて、動画×AIでお客様のおもてなし満足度を高めながら省人化もできるかという実証につなげたい。継続してこの取り組みを行なっていきたいと考えていることを説明しました。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!